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コラム NIS2指令とは?要件とサイバーレジリエンスの必要性を紹介(4/4)~サイバーレジリエンス強化のポイント~

サイバー攻撃からの被害を抑えるサイバーレジリエンスの強化には、NIS2指令からなる具体的なリスクマネジメントを。


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世界中でサイバー攻撃のリスクが高まる中、海外拠点を持つグローバル企業にとって、包括的なサイバーセキュリティ対策の実施が急務となっています。EUが策定した「NIS2指令」は、サイバー攻撃の被害を最小限に抑える「サイバーレジリエンス」の強化を目的とし、セキュリティ強化のための具体的な指針を示しています。

本記事ではNIS2指令の概要やサイバーレジリエンスの重要性を解説し、具体的な強化手法や事例について4回に分けてご紹介します。

4. サイバーレジリエンス強化のポイント

サイバーレジリエンス強化のポイント

サイバーレジリエンスの強化には、NIS2指令によるリスクマネジメントを中心に「組織」と「技術」の双方にアプローチする施策が必要です。以下で具体的な強化ポイントを解説します。

リスクアセスメントの実施と対策の優先順位の設定

まずリスクアセスメントによってIT資産の棚卸しを実施し、すべてのシステムやデータを把握した上で、それぞれの重要度を評価します。その上で、リスクの高い領域から優先的に対応を進め、企業の事業継続性を確保します。

組織部分の強化

海外拠点を含むすべての拠点で浸透する包括的な対策を行う際は、以下の4点が重要です。

レポート体制の整備

インシデント発生時に統一フォーマットで迅速かつ正確に報告できる仕組みを整えます。
連絡手段を明確にし、報告手順を標準化することで、情報共有のスピードと正確性を向上させましょう。

インシデント対応フレームワークの構築

組織全体で統一されたインシデント対応フローを策定し、対応を迅速に行えるようにします。本社主導でセキュリティポリシーや行動規範を策定し、「まず被害を受けたシステムを隔離する」「次にデータ漏えいの範囲を特定する」など、対応手順を標準化します。

従業員の教育とサプライチェーンを含めたセキュリティ管理

従業員一人ひとりのセキュリティ意識を向上されるため、定期的なセキュリティ研修や教育を実施しインシデント対応フローを浸透させます。また、サプライチェーン全体での共同訓練により、パートナー企業と連携してリスクに備える体制を整えます。

業務継続計画(BCP)の策定

インシデント発生後も業務を継続できる計画を作成し、全社で共有します。例えば、重要システムの復旧の際、クラウド環境のバックアップデータを活用するなど、復旧手順を整理します。

システム面の強化

柔軟で堅牢なシステム基盤を構築するためには、以下を実施します。

定期診断の実施

脆弱性スキャンを定期的に行って新たなリスクを早期に発見し、速やかに修正します。例えば、毎月決められたスケジュールで脆弱性スキャンを行い、発見されたリスクに対して修正パッチを適用します。

ネットワーク分離

ネットワーク分離やセグメンテーションを実施し、重要資産へのアクセスを制限して、システムの可用性を確保します。例えば、社内ネットワークを「業務用」「管理用」「来客用」に分離し、外部からの侵入を防ぎます。

ツール導入による自動化

SIEM(ログ分析基盤)やEDRなどのツールを導入し、リアルタイムでの脅威検出と対応を実現します。AIなどを活用した監視システムで24時間の監視体制を構築し人的負担を軽減しつつ、セキュリティ体制の効率化を図ります。

5. まとめ

EUのNIS2指令に基づいたサイバーレジリエンスの強化は、単なるセキュリティ対策にとどまらず、グローバルレベルの事業に対するリスク最小化と、競争力維持を目指す重要な取り組みです。NIS2指令に準拠することで、企業は法規制への対応とともに、顧客や取引先からの信頼を強化し、グローバル市場での優位性を確立することが可能です。

サイバーレジリエンスの基盤構築には、組織とシステムの両面から包括的かつ継続的な取り組みを進め、迅速な対応と復旧力を備えた体制を整備することが重要です。KDDIでは、お客様のNIS2指令への準拠や、サイバーレジリエンスの構築をサポートします。ぜひご相談ください。